【 かへんせいどらふしゅうごう (variable precision rough set) 】
決定表が誤差を含む場合には, 通常のラフ集合の下近似が極端に小さくなり, 有益な解析が行えない. これに対処するため, ある程度の誤差を許容した可変精度ラフ集合が提案されている. 許容誤差率を ε ∈ [ 0 , 0.5 ) {\displaystyle \varepsilon \in [0,0.5)} とすると, 集合 D {\displaystyle D} の可変精度ラフ集合による下近似(正領域)は, ラフメンバシップ値を用いて, { x ∈ U ∣ μ D ( x ) ≥ 1 − ε } {\displaystyle \{x\in U\mid \mu _{D}(x)\geq 1-\varepsilon \}} と定められ, 上近似(可能領域)は, { x ∈ U ∣ μ D ( x ) > ε } {\displaystyle \{x\in U\mid \mu _{D}(x)>\varepsilon \}} と 定められる. U {\displaystyle U} は対象の集合である. ε = 0 {\displaystyle \varepsilon =0} のとき,通常のラフ集合と一致する.