【SBMもでる (slacks-based measure model) 】
加法モデルの目的関数の値は評価尺度の大きさの影響を受け, また, 値の範囲も限定されていないので, 目的関数の値だけで, 効率性を議論しにくい. そこで, 刀根は測定単位に依存せず, スラックの関して単調減少する尺度を用いた次のSBM (Slacks-Based Measure)モデルを提案した [1].
SBMモデル
目的 |
|
制約 |
|
|
|
|
|
ただし, 構文解析に失敗 (構文エラー): {\displaystyle \mathbf{e}^{t} \mbox{\mathbf\lambda}\, }
の制約は除いている. また, すべてのデータは正であることを仮定している. 目的関数の右辺の分母, 分子にを掛けて分母が1になるようにすると, この問題は分子の最小化問題となり, 次のように定式化できる.
目的 |
|
制約 |
|
|
構文解析に失敗 (構文エラー): {\displaystyle X \mathbf{\lambda}} + \mathbf{s}^{-} = \mathbf{x}_{o}\, }
|
|
|
|
|
制約の第2式, 第3式の両辺に を掛けて, と置くと
目的 |
|
制約 |
|
|
|
|
|
|
|
となり, に関するLPとして解くことが出来る.
分母を1と置いて分子の最小化を図ったが, 分子を1と置いて分母の最大化を図ることも考えられる. その場合には
目的 |
|
制約 |
|
|
|
|
|
|
|
である.
入出力 を持つDMU は の最適(最小)値 が 1 の場合に限りSBM効率的であると言われる.
刀根は, さらにSBM効率的なDMU に対して1以上の効率値を与えることのできる次のSuperSBMモデルを提案している [2].
SuperSBMモデル
目的 |
|
制約 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
超効率値も単位不変である(測定単位の影響を受けない).
参考文献
[1] K. Tone, "A Slacks-based Measure of Efficiency in Data Envelopment Analysis," European Journal of Operational Research, 130 (2001), 498-509.
[2] K. Tone, "A Slacks-based Measure of Super-efficiency in Data Envelopment Analysis," European Journal of Operational Research, 143 (2002), 32-41.