「リトルの公式」の版間の差分
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+ | <math>\lambda\,</math>をシステムへの到着率, <math>\mbox{E}(L)\,</math>を平衡状態における平均システム内客数(時間平均), <math>\mbox{E}(W)\,</math>を平衡状態における平均システム内滞在時間(客平均)としたとき, | ||
+ | <math>\mbox{E}(W\, </math>) か <math>\mbox{E}(L)\, </math> のどちらか一方が存在するならば, 他方も存在し, | ||
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+ | <math>\mbox{P}\, </math>(窓口が塞がっている確率)<math>=\lambda \mbox{E}(S)=\rho\, </math> | ||
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+ | が得られる. ここで <math>\mbox{E}(S)\, </math> は平均サービス時間である. | ||
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+ | また, システムとして窓口を除いた待ち行列の部分を考えれば, (1) は平均待ち人数 <math>\mbox{E}(L_q)\, </math> と平均待ち時間 <math>\mbox{E}(W_q)\, </math> に対して | ||
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+ | となる. 通常, <math>\mbox{E}(W)=\mbox{E}(W_q)+\mbox{E}(S)\, </math>であり, システムへの到着率<math>\lambda\, </math>は既知であるので, (1) と (2) から, <math>\mbox{E}(L)\, </math>, <math>\mbox{E}(L_q)\, </math>, <math>\mbox{E}(W)\, </math>, <math>\mbox{E}(W_q)\, </math>の4つの特性量のうちひとつがわかれば, 他のものはこれらの関係式から求められる. これは待ち行列モデルを解析するときに大変便利である. | ||
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+ | リトルの公式は待ち行列解析のいろいろな場面で頻繁に出現し, たとえば[[ジャクソンネットワーク|閉ジャクソンネットワーク]]を解析するときに用いられる[[平均値解析法]]は, このリトルの公式を様々な形で利用することによって導かれる. |
2008年8月5日 (火) 19:01時点における版
【りとるのこうしき (Little's formula)】
待ち行列における関係式の中で, 最も基本的なものひとつで,任意の待ち行列システム, あるいは待ち行列システムの任意の部分システムに対して, 平衡状態における平均系内人数 と平衡状態における平均系内滞在時間 とを関係づけるものである. をシステムへの到着率, を平衡状態における平均システム内客数(時間平均), を平衡状態における平均システム内滞在時間(客平均)としたとき, ) か のどちらか一方が存在するならば, 他方も存在し,
,
となる.この等式をリトルの公式という.
この公式はシステムが平衡状態にあることを除けば, 客の到着, サービス時間, サーバ数, サービス規律等に特に何の仮定もおいていない. システムが単一ノードである必要もない. たとえばシステムとして単一窓口待ち行列の窓口部分だけを考えれば,
(窓口が塞がっている確率)
が得られる. ここで は平均サービス時間である.
また, システムとして窓口を除いた待ち行列の部分を考えれば, (1) は平均待ち人数 と平均待ち時間 に対して
,
となる. 通常, であり, システムへの到着率は既知であるので, (1) と (2) から, , , , の4つの特性量のうちひとつがわかれば, 他のものはこれらの関係式から求められる. これは待ち行列モデルを解析するときに大変便利である.
リトルの公式は待ち行列解析のいろいろな場面で頻繁に出現し, たとえば閉ジャクソンネットワークを解析するときに用いられる平均値解析法は, このリトルの公式を様々な形で利用することによって導かれる.