「《巡回セールスマン問題》」の版間の差分

提供: ORWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
11行目: 11行目:
 
 3角不等式を満たす対称巡回セールスマン問題に対しては,近似比が <math>3/2\, </math> 以下の保証をもつ多項式時間の近似解法が知られている.また,<math>d\, </math> を定数としたときの <math>d\, </math> 次元ユークリッド巡回セールスマン問題に対しては,固定された <math>\epsilon >0\, </math> を与えたときに,近似比が <math>1+\epsilon\, </math> 以下に抑えられる多項式時間の近似解法(近似スキーム)が存在する.
 
 3角不等式を満たす対称巡回セールスマン問題に対しては,近似比が <math>3/2\, </math> 以下の保証をもつ多項式時間の近似解法が知られている.また,<math>d\, </math> を定数としたときの <math>d\, </math> 次元ユークリッド巡回セールスマン問題に対しては,固定された <math>\epsilon >0\, </math> を与えたときに,近似比が <math>1+\epsilon\, </math> 以下に抑えられる多項式時間の近似解法(近似スキーム)が存在する.
  
 実用的な近似解法としては,[[最近近傍法]] (nearest neighbor method) や[[セービング法]] (saving method) によって構築された巡回路を[[<math>k\, </math>-opt法 (巡回セールスマン問題の)|]] (<math>k\, </math>-opt)で改善する方法が一般的である.厳密解法としては,巡回セールスマン問題の多面体構造([[TSP多面体]](TSP polytope))を利用した[[分枝カット法]] (branch and cut method) が有効であり,実務的な大規模問題の求解に成功している.
+
 実用的な近似解法としては,[[最近近傍法]] (nearest neighbor method) や[[セービング法]] (saving method) によって構築された巡回路を[[k-opt法 (巡回セールスマン問題の)|k-opt法]] (<math>k\, </math>-opt)で改善する方法が一般的である.厳密解法としては,巡回セールスマン問題の多面体構造([[TSP多面体]](TSP polytope))を利用した[[分枝カット法]] (branch and cut method) が有効であり,実務的な大規模問題の求解に成功している.
  
  

2007年7月6日 (金) 16:17時点における版

【じゅんかいせーるすまんもんだい (traveling salesman problem) 】

 点集合 ,枝集合 から構成されるグラフ , 枝 上の距離 構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle d_{ij}\, } が与えられたとき,点集合 構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle V\, } のすべての点をちょうど1回ずつ経由する巡回路(ハミルトン閉路)で,枝の距離の合計を最小にするものを求める問題を巡回セールスマン問題 (traveling salesman problem) (行商人問題)とよぶ.

 特に,距離の対称性(構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle d_{ij}=d_{ji}\, } )を満たすものを対称巡回セールスマン問題,3角不等式(構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle d_{ij} \leq d_{ik} + d_{kj}\, } )を満たすものを3角不等式を満たす巡回セールスマン問題,点集合が 構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle d\, } 次元超立方体 構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle [0,1]^d\, } 内に分布しており, 点間の距離が点間のユークリッド距離で定義されたものをユークリッド巡回セールスマン問題 (Euclidean (Euclidian) traveling salesman problem) とよぶ.

 巡回セールスマン問題に対する応用は,数百点を扱う基盤配線,運搬経路計画,スケジューリング,数万点を扱う基盤穿孔,X線結晶構造解析 (タンパク質の構造解析),数百万点を扱うVLSI設計など,さまざまである.また,次世代のVLSI設計においては,数千万点の問題を解く必要があると言われている.

 巡回セールスマン問題は,NP困難 (NP-hard) であり, 多項式時間の厳密解法が絶望視されているばかりでなく,近似比が 一定値構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle \alpha (<\infty)\, } で抑えられる多項式時間の近似解法さえ のもとでは存在しないことが示されている.

 3角不等式を満たす対称巡回セールスマン問題に対しては,近似比が 以下の保証をもつ多項式時間の近似解法が知られている.また,構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle d\, } を定数としたときの 構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle d\, } 次元ユークリッド巡回セールスマン問題に対しては,固定された 構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle \epsilon >0\, } を与えたときに,近似比が 構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle 1+\epsilon\, } 以下に抑えられる多項式時間の近似解法(近似スキーム)が存在する.

 実用的な近似解法としては,最近近傍法 (nearest neighbor method) やセービング法 (saving method) によって構築された巡回路をk-opt法 (構文解析に失敗 (MathML、ただし動作しない場合はSVGかPNGで代替(最新ブラウザーや補助ツールに推奨): サーバー「https://en.wikipedia.org/api/rest_v1/」から無効な応答 ("Math extension cannot connect to Restbase."):): {\displaystyle k\, } -opt)で改善する方法が一般的である.厳密解法としては,巡回セールスマン問題の多面体構造(TSP多面体(TSP polytope))を利用した分枝カット法 (branch and cut method) が有効であり,実務的な大規模問題の求解に成功している.



参考文献

[1] 山本芳嗣, 久保幹雄,『巡回セールスマン問題への招待』, 朝倉書店,1997.