「フラクタルブラウン運動」の版間の差分

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 平均が<math>0</math>となるように値をずらせた確率過程<math>X(t)</math>がガウス過程,すなわち,任意の正の整数<math>n</math>と任意の<math>0 < t_{1} < \ldots < t_{n}</math>に対して,<math>X(t_{1}), X(t_{2}), \ldots, X(t_{n})</math>の結合分布が多次元正規分布に等しいとする.この確率過程は,共分散が<math>0 < H < 1</math>を満たす定数<math>H</math>に対して,
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平均が<math>0</math>となるように値をずらせた[[確率過程]]<math>X(t)</math>
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すなわち,
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任意の正の整数<math>n</math>と任意の<math>0 < t_{1} < \cdots < t_{n}</math>
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対して,
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[[多次元正規分布]]に等しいとする.
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この確率過程は,
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[[共分散]]が<math>0 < H < 1</math>を満たす定数<math>H</math>に対して,
 
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であるとき,ハースト定数<math>H</math>をもつ自己相似過程となる.この自己相似過程を,ハースト定数<math>H</math>をもつフラクタルブラウン運動と呼ぶ.特に,<math>H=\frac 12</math>ならばブラウン運動に等しい.<math>H > \frac 12</math>ならば<math>H</math>が大きいほど強い正の相関をもち,<math>0 < H < \frac 12</math>ならば負の相関をもつ.
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この自己相似過程を,
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ハースト定数<math>H</math>をもつフラクタルブラウン運動と呼ぶ.
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特に,<math>H=\frac 12</math>ならば[[ブラウン運動]]に等しい.
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<math>H > \frac 12</math>ならば<math>H</math>が大きいほど強い正の相関をもち,<math>0 < H < \frac 12</math>ならば負の相関をもつ.
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[[category:待ち行列|ふらくたるぶらうんうんどう]]

2008年11月13日 (木) 15:43時点における最新版

【 ふらくたるぶらうんうんどう (fractal Brownian motion) 】

平均がとなるように値をずらせた確率過程ガウス過程, すなわち, 任意の正の整数と任意のに 対して, の結合分布が 多次元正規分布に等しいとする. この確率過程は, 共分散を満たす定数に対して,

であるとき, ハースト定数をもつ自己相似過程となる. この自己相似過程を, ハースト定数をもつフラクタルブラウン運動と呼ぶ. 特に,ならばブラウン運動に等しい. ならばが大きいほど強い正の相関をもち,ならば負の相関をもつ.