《自己回帰和分移動平均(ARIMA)モデル》のソースを表示
←
《自己回帰和分移動平均(ARIMA)モデル》
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、以下のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページは編集や他の操作ができないように保護されています。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
'''【じこかいきわぶんいどうへいきん (ありま) もでる (autoregressive integrated moving average model) 】''' $t$ を時点を表わす添字 (整数) とし, $x_{t}$ を $\mbox{E}(x_{t})=0$ の[[弱定常過程]],$\varepsilon_{t}$ を$\mbox{E}(\varepsilon_{t})=0$,$\mbox{V}(\varepsilon_{t})=\sigma^{2}$,$\mbox{E}(\varepsilon_{t}\varepsilon_{s})=0$ $(t \ne s)$を満たすホワイトノイズ (white noise) とする.また, $L$ を時間を後退させる作用をもつラグ演算子 (lag operator)$L^{i}x_{t}=x_{t-i}$, $L^{i}\varepsilon_{t}=\varepsilon_{t-i}$($i=1,2,\cdots$)とし, $\phi(L)$, $\theta(L)$ を $\phi(L)=1-\sum_{i=1}^{p}\phi_{i}L^{i}$,$\theta(L)=1+\sum_{i=1}^{q} \theta_{i}L^{i}$ で定義される多項式ラグ演算子とする.(ただし, 多項式 $\phi(z)=0$, $\theta(z)=0$ には共通根はないものとする.)$\phi_{i}$ ($i=1,2,\cdots,p$), $\theta_{i}$ ($i=1,2,\cdots,q$) はパラメータ (一定) である. 弱定常過程 $x_{t}$ の確率的変動が $\phi(L)x_{t} =\theta(L)\varepsilon_{t}$(すなわち,$x_{t}=\phi_{1}x_{t-1}+\cdots+\phi_{p}x_{t-p}+\varepsilon_{t}+\theta_{1}\varepsilon_{t-1}+\cdots+\theta_{q}\varepsilon_{t-q}$)で表わされるとき, このモデルを次数 $(p,q)$ の自己回帰移動平均モデル(autoregressive moving average model) と呼び, $ARMA(p,q)$ モデルと略記する.$ARMA(p,q)$ モデルが条件「$\phi(z)=0$ の根はすべて単位円 $|z|=1$ 外にある」を満たせば, これを $MA(\infty)$ モデル :$x_{t}=\psi(L)\varepsilon_{t}$ として表現出来る.(ただし $\psi(z)=\theta(z)/\phi(z)=\sum_{i=0}^{\infty}\psi_{i}z^{i}$,$\psi_{0}=1$, $\sum_{i=0}^{\infty}|\psi_{i}|<\infty$.)また逆に条件 (反転可能性の条件 (invertibility condition) )「$\theta(z)=0$ の根はすべて単位円 $|z|=1$ 外にある」を満たせば, これを $AR(\infty)$ モデル :$\pi(L)x_{t}=\varepsilon_{t}$ として表現出来る.(ただし $\pi(z)=\phi(z)/\theta(z)=\sum_{i=0}^{\infty}\pi_{i}z^{i}$,$\pi_{0}=1$, $\sum_{i=0}^{\infty}|\pi_{i}|<\infty$.) AR なる用語は $x_{t}$ を自身の過去の値に回帰することに由来しており, [[AR モデル]]は理解しやすい構造を持っている.一方, [[MA モデル]]は過程の理論的性質を調べる上で重要である.また $ARMA(p,q)$ モデルは $AR(p)$ モデルと $MA(q)$ モデルを混合したモデルであり, これらのモデルを単独で使用した場合に比べてより少ないパラメータで定常過程の種々の性質を表現出来る点に特徴がある. 次に $d$ を自然数として, 次数 $d$ の階差演算子 (difference operator)$(1-L)^{d}$ を$(1-L)^{d}=\sum_{i=0}^{d} {}_{d}C_{i}(-1)^{i}L^{i}$($d=1,2,\cdots$) と定義する.非定常過程 $y_{t}$ の $d$ 階階差 $x_{t}=(1-L)^{d}y_{t}$ が弱定常となるとき,$y_{t}$ は階差次数 $d$ の和分モデル (integrated model) に従うと言い,このモデルを $I(d)$ モデルと略記する.中でも $x_{t}=(1-L)^{d}y_{t}$ が特に $ARMA(p,q)$ モデルに従い,$\phi(L)(1-L)^{d}y_{t} = \theta(L)\varepsilon_{t}$と表わせるとき, このモデルを次数 $(p,d,q)$ の[[自己回帰和分移動平均モデル]] (autoregressive integrated moving average model) と呼び,$ARIMA(p,d,q)$ モデルと略記する.特に $ARIMA(p,0,q)$ モデルが $ARMA(p,q)$ モデルに他ならない.また $ARIMA(0,1,0)$ モデルは[[ランダムウォーク]]モデル (randomwalk model) となる. Box and Jenkins \cite{ARIMA+SUGIHARA2} が従来の研究成果をふまえて,ARIMAモデル}{ARIMA モデル}の1) 同定 (identification),2) 推定 (estimation),3) 診断 (diagnostic checking),4) [[予測]]と制御 (forecasting and control)に関する統計的分析法を体系的に提示して以来,ARIMA モデルは[[時系列解析]]に不可欠なパラメトリックモデルとして重要な役割を果たしている. 特に 1) モデルの同定に関しては, 多くの時系列において階差次数 $d$ が高々 1 (ないし 2) であることが経験的に知られている.また AR 次数 $p$, MA 次数 $q$ については, [[自己相関関数]]と偏自己相関関数の特徴をもとにこれらを決定する方法 [2] 以外に,AIC (Akaike's information criterion) 最小化法が用いられることも多い.また, 季節変動を含む経済時系列解析に有効なモデルとして, 周期 $s$ (例えば4 半期データ, 月次データに応じて $s=4, 12$ 等) の季節変動を取り扱う季節的ARIMA モデル(seasonal ARIMA model) があげられる [2].2) パラメータの推定に関しては最尤法をはじめとした各種の非線形推定法が提案されており,3) モデルの診断についても, 残差系列がホワイトノイズに従うか否かを残差系列の自己相関関数にもとづき検定する方法をはじめとして幾つかの統計的仮説検定法が提案されている [1], [3], [6].4) 予測や制御に関しては, 例えば (単純) [[指数平滑化法]]が $ARIMA(0,1,1)$ モデルの予測に最適な方法であることが明らかにされており,さらに ARIMA モデルの状態空間表現 (state space representation) や[[カルマンフィルター]] (Kalmanfilter)との関連性が明らかにされている.また ARIMA モデルは各種の需要予測や[[経済予測]]に有効なモデルであることが知られている. ARIMA モデルは様々な方向に拡張されている. 例えば金融時系列解析の分野における分散変動を考慮した[[ARCH, GARCH]], EGARCH (exponential GARCH), IGARCH (integrated GARCH) モデルや,階差次数 $d$ を実数に拡張した ARFIMA モデル (AR fractionally integratedMA model) はその一例である [3], [5].また, [[計量経済モデル]]との関連では,AR(I)MA モデルを多変量化した VAR(I)MA モデル (vector AR(I)MA model),外生変数 (exogenous variables) を取り入れた AR(I)MAX モデル(AR(I)MA model with exogenous variables) 等の構築や, これらをもとにしたグレンジャー因果関係 (Granger causality) の検証がなされており,さらにランダムウォークモデルとの関連で階差次数 $d=1$ の統計的仮説検定を取り扱う単位根検定 (unit root test) や, 複数の和分モデルの一次結合が定常モデルに従う共和分モデル (cointegrated model) の構築等がなされている [4], [5], [7]. ---- '''参考文献''' [1] T. W. Anderson, ''The Statistical Analysis of Time Series'', John Wiley, 1971. [2] G. E. P. Box and G. M. Jenkins, ''Time Series Analysis : Forecasting and Control'', Holden-Day, 1970. (rev. ed., Holden-Day, 1976. 3rd ed. by G. E. P. Box, G. M. Jenkins and G. C. Reinsel, Prentice-Hall, 1994.) [3] P. J. Brockwell and R. A. Davis, ''Time Series : Theory and Methods (2nd ed.),'' Springer-Verlag, 1991. [4] W. A. Fuller, ''Introduction to Statistical Time Series (2nd ed.)'', John Wiley, 1996. [5] J. D. Hamilton, ''Time Series Analysis'', Princeton University Press, 1994. [6] E. J. Hannan, ''Multiple Time Series'', John Wiley, 1970. [7] G. C. Reinsel, ''Elements of Multivariate Time Series Analysis (2nd ed.)'', Springer-Verlag, 1997.
《自己回帰和分移動平均(ARIMA)モデル》
に戻る。
案内メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
変種
表示
閲覧
ソースを表示
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
コミュニティ・ポータル
最近の出来事
最近の更新
おまかせ表示
ヘルプ
ORWikiへのお問い合わせ
OR学会HP
OR学会アーカイブ集
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
特別ページ
ページ情報